
引越し前に不用品を処分する方法は全部で3つあります。
- 地方自治体に不用品回収を依頼する
- 引越し業者に引き取ってもらう
- 民間の不用品回収業者に依頼する
それぞれにメリット・デメリットがあります。というわけで、今回は引越し前に出る不用品・粗大ごみの処分方法を詳しく解説します。
1.地方自治体の不用品回収が一番費用が安い
まず1つ目は地方自治体に不用品回収を依頼する方法です。
一番のメリットはとにかく回収費用が安いことです。ほとんどの家具・家電が300円くらい、一部高いものでも1500円程度しかかかりません。
しかし、融通が利かないのが最大のデメリットです。回収日時・場所を自治体に指定されるので、引越し直前とかだと間に合いません。
1.1.自治体の不用品回収費用
まずは品目別の回収費用を紹介します。これは自治体によって微妙に違いますが、大体似たような金額になります。今回は例として千葉市の回収費用を紹介します。
1.1.1.ほとんどの不用品は300~400円
千葉氏の場合、収集費用は370円のものがほとんどです。
- アイロン台
- 衣装ケース
- いす(~15kg)
- オーブンレンジ
- カラーボックス
- こたつ(~15kg)
- コピー機(~15kg) etc
これらは全て370円で回収してもらえました。
1.1.2.高くても1,500円程度で回収してくれる
大型の家電・家具になると収集費用も高くなりますが、それでも1,500円程度です。
- 椅子型マッサージ器
- 机
- タンス
- 本棚
注意が必要なのは本棚です。カラーボックスを本棚として使っている人は、本棚ではなくカラーボックスとして申し込みしてくださいね。料金が5倍近く変わるので。
1.2.不用品回収までの流れ
不用品を回収してもらうまでの流れは以下の通りです。
- ネットで申し込み
- 受付完了メール届く
- 粗大ごみシール購入
- シール貼って出す
①ネットで不用品回収依頼
申し込み方法は電話とネットの2種類があります。引越しシーズンは電話が込み合っていることが多いので、ネット申込みの方がおすすめです。申込フォームは、各自治体のHPで「くらし・手続き ⇒ ごみ ⇒ 粗大ごみ」みたいにいけば見つかると思います、
②メール返信で受付番号確認
ネット申し込み後、4日以内に
- 受付番号
- 収集日時
- 収集場所
が記載されたメールが届きます。収集場所は、マンションなら共有のごみ置き場であることがほとんどです。
③納付券(粗大ごみシール)の購入
受付番号がわかったら、さっそく納付券(粗大ごみシール)を購入します。納付券は役所に行かなくても、コンビニのレジで買えます。「粗大ごみのシールください」と言えば、金額と枚数を聞かれるはずです。
間違って購入した場合、払い戻しはできないので、あらかじめ金額と枚数はよく確認しておきましょう。
④不用品を出す
全てのシールに受付番号を記入したら、粗大ごみにシールを貼って出すだけです。収集日は、大体申し込みから1~2週間後くらいなので、出し忘れに気を付けてくださいね。
1.3.回収してくれない不用品もある
一つ注意点があります。
「重くて下まで持っていけない」
「解体しないと運び出せない」
ということもあると思いますが、自治体は運び出しはしてくれないので、自分で収集場所まで持っていけないものは回収不可です。また、
- エアコン
- テレビ
- 洗濯機
- 冷蔵庫
など、家電リサイクル法対象機器も回収してくれません。
2.引越し業者に一部の不用品を無料回収してくれる
2つ目は引越し業者に引き取ってもらう方法です。一番のメリットは無料引き取りしてもらえる不用品があることです。
しかし、無料引き取りしてもらえる不用品には条件があります。
2.1.不用品無料回収の基準が厳し過ぎる!
まず、無料引取りの目安ですが……
超厳しいです。
2.1.1.家具の無料引取基準
- タンス
- 本棚
- カラーボックス
- 食器棚
などの家具は、購入5年以内で傷や汚れが無い物のみ、無料で引き取ってくれます。パッと見て分かるような汚れ・傷があったらアウトです。
ただし、カーテンやマットレスなど布生地製の家具は、目立った汚れや傷が無くても引き取りは有料なので注意してください。
2.1.2.家電の無料引き取り基準
- PSEマークあり
- 汚れ・傷なし
- 取扱説明書あり
- リモコンあり(有る場合)
- 製造から5年以内
家電はこの5条件を満たしている場合のみ、無料で引き取りしてもらえます。
「家電リサイクル法」対象機器(TV・洗濯機・エアコン・冷蔵庫)でも無料で引き取ってくれる業者はありますが、条件はさらに厳しくなると思ってください。
2.2.引越し業者の不用品有料引取り費用の相場
無料では無理でも、有料なら引き取ってもらえます。そこで気になるのは「引き取り料金」ですが、これは不用品回収業者と大差ありません。
- TV:4,000~5,000円
- 冷蔵庫:6,000~8,000円
- 洗濯機:5,000~7,000円
- エアコン:4,000~6,000円
- ベッド:4,000~5,000円
- テーブル:3,000~4,000円
2.3.買取してもらえる不用品もある
2.3.1.新品でもない限り買取はしてもらえない
無料引取りの条件を見れば察しが付くと思いますが、買取になるともっとハードルは高くなります。新品同前でもない限り、買取は無理だと思ってください。
逆に言えば、買取してもらえるくらい良い物なら、引越し先に持っていって別の店で売りましょう。引越し業者の買取価格は安いので勿体ないです。
2.3.2.PCは買取されやすい
ただし1つだけ例外があります。
それはパソコンです。パソコンは作動しなくても、パーツ販売用として買い取ってくれることが多いです。壊れたパソコンがあるなら、引越し業者に相談してみるといいですよ。
3.不用品回収業者は相場が高い
不用品の処分方法3つ目は
「民間の不用品回収業者に依頼」です。
不用品回収業者に依頼する最大のメリットは融通が利くところです。回収日時もこちらで指定できるので、引越し直前でも回収してもらえます。また、解体・運び出しもしてもらえるので、大型家具・家電も処分できます。
しかし、とにかく回収費用が高いのがデメリットです。
3.1.不用品回収費用の相場
民間の不用品回収業者は
- 基本料金
- 不用品ごとの回収費用
- 運び出しなどのオプション料金
の3つがかかります。
3.1.1.基本料金の相場は5,000円?
まずは基本料金です。自治体に収集してもらう場合は、税金で補てんされる費用なので払う必要はありませんが、民間業者は「基本料金」がかかります。基本料金は
- 出張費
- 車代
で構成されており、大体相場は3,000~5,000円くらいです。
3.1.2.不用品別!回収費用の相場
主な不用品の回収費用の相場を以下に示します。
- TV:4,000~5,000円
- PC:4,000~6,000円
- 冷蔵庫:6,000~8,000円
- 洗濯機:5,000~7,000円
- エアコン:4,000~6,000円
- 電気ストーブ:1,000~2,000円
- ベッド:4,000~5,000円
- マットレス:2,000~3,000円
- ソファ:3,000~5,000円
- テーブル:3,000~4,000円
- タンス:4,000~6,000円
- 本棚:5,000~6,000円
- カラーボックス:500~1,000円
※料金に幅があるのは、大きさによって多少変わるからです。
3.1.3.オプション料金の相場
基本料金と品目ごとの回収費の他に、オプション料金がかかります。これは業者によって多少異なりますが、大体相場はこんな感じです。
- 分解:1,000円
- 運び出し:1,000円
- ドアを外す必要あり:1,000円
- 休日・時間外:2割増し
3.2.不商品回収業者の詰め放題パック
不用品の数が多いと料金がすごいことになります。そういう場合は「お得パック」の利用を検討しましょう。というか、恐らく訪問見積もりの時に勧められるはずです。
3.2.1.不用品お得パックの費用
私が利用した業者は
- シングルパック:16,000円
- 1部屋パック:40,000円
- 家族パック:80,000円
という3つのパックがありました。
「シングルパック」は処分したい家電や家具が3,4個くらいしかない場合、「1部屋パック」はちょうど1部屋分くらい粗大ごみがある場合、「家族パック」は2部屋分くらいの粗大ごみがある場合を想定しています。
3.2.2.本当にお得かよく考えて
パック料金が本当にお得なのかはよく検討してくださいね。特にシングルパックは要注意です。回収品目によっては、普通に頼んだ方が安い場合もあるので。
3.3.不用品回収業者の選び方
ただし一つ注意点があります。
それは「民間業者には悪徳業者も多い」という点です。安心で安い不用品回収業者の選び方も紹介しておきます。
3.3.1.不用品回収業者はネットで探す
- 郵便受けにチラシを入れる業者
- 近所を軽トラで回っている業者
は悪質なボッタクリ業者が多いので、業者は基本的にネットで探しましょう。ネットで探す手順は
- ランキングをチェックする
- くりこみをチェックする
- 気になる業者の会社HPをチェックする
①不用品回収業者ランキングの確認
ネット上には不用品回収業者のランキングが多数掲載されていますが、ほとんどあてになりません。なぜなら、集計結果ではなく、書き手の主観で書かれているものが多いからです。
- サイトの作りが企業っぽい
- 会社概要のリンクがある
- 「調査に基づき…」の記述がある
この3つの条件を満たしていないランキングは、ほとんどガセと思って間違いありません。条件を満たしたランキングの例としては、「粗大ゴミ比較ナビ」などが挙げられます。
②業者の口コミを確認する時はサクラに注意
そしてランキング以上に大事なのが「口コミ・評判」です。利用者の感想・意見は、業者の質を知るうえで重要な指標になります。ただし、「サクラ」には注意しなければいけません。
「サクラ」とは業者に頼まれて嘘の口コミを書いている輩のことです。
- ☆評価だけで文章が短い
- 上っ面の褒め言葉だけ
- 文体が似通っている
という場合はサクラの可能性が高いので、その口コミは無視しましょう。全部サクラということもザラにあります。。
③不用品回収業者の会社HPをチェック
ランキング・口コミをチェックして気になる業者があったら、その業者のHPに行き会社概要を確認しましょう。そもそもHPがないような業者は論外です。
会社概要では
- 資本金が1,000万以上か
- 設立から5年以上経っているか
- 免許・資格を持っているか
をチェックしましょう。免許・資格に関しては、個人を対象とした業者なら「一般廃棄物収集運搬業の許可」、法人からも収拾するなら「産業廃棄物収集運搬の許可」を持っていなければいけません。
3.3.2.不用品回収業者に電話する
良さげな業者を見つけたら、さっそく電話して「訪問見積もり」を依頼しましょう。ネットでも依頼できますが、返信がいつ来るか分からない(来ないこともしばしば)ので、電話の方が良いと思います。
訪問見積りは無料です。ここで金とるような業者は、その場で切り捨てて、どうぞ。
3.3.3.訪問見積もりで最終チェック
訪問見積りでは、業者の最終チェックを行います。
- 服装はスーツ or 作業服
- 名刺をくれるか
- 見積もり概算書をくれるか
- 見積額は妥当か
これをすべて満たしていれば優良業者です。
4.不用品を処分せずに放置すると費用を請求される
今回は引越し前の不用品処分方法として以下の3つを紹介しました。
- 地方自治体に不用品回収を依頼する
- 引越し業者に引き取ってもらう
- 民間の不用品回収業者に依頼する
必ずいずれかの方法で処分してくださいね。
「引越し業者に引き取ってもらえない」
「良い回収業者が見つからなかった」
といって、部屋に置きっぱなしにしておくと、貸主に処分費用を請求されます。その場合の請求額は通常の処分費用の何倍もするので要注意です。