・・・とお悩みのあなた!今回はトイレに水が流れない原因TOP10とその対処法を解説していきます。簡単に対処できる場合もあれば、時間やお金がかかるケースもあります。
トイレに水が流れないのは死活問題ですからね。早めに対処しましょう。
トイレが流れる仕組み
本題に入る前に、まずはトイレに水が流れる仕組みを説明させて下さい。なぜなら、水が流れる仕組みが分かっていないと、水が流れない原因を理解できないからです。
水が流れる仕組みはトイレのタイプによって違います。全てのタイプを説明していると時間がかかるので、トイレタンクがあるタイプとないタイプの2パターンのみ説明します。
トイレタンクがある場合
便器の上にトイレタンクがあるタイプの場合は、トイレタンクに溜まった水を、排水管を通して便器に落とすことで、尿や便などを下水に押し流します。
トイレタンクは以下のような構造になっています。
トイレタンクから便器に水が流れる仕組みは大体こんな感じです。
- 給水管からトイレタンクに水が給水される
- 水がたまっていくと、水位に合わせて浮き球が上下に動く
- 十分に水が溜まって浮き球が上にいくと、バルブが閉じて給水が止まる
- レバーを回すと、レバーと鎖で繋がっているゴムフロート(ゴム栓)が引っ張られて栓が開き、タンクの中の水が便器に流れる
- 一定量の水が流れるとゴム栓が閉じる
- タンク内の水位が下がると、浮き球が下がってバルブが開き、足りなくなった分の水がタンクに給水される
タンクレストイレの場合
便器だけでトイレタンクがない場合、トイレタンクが内蔵されているタイプと、水道管から直接水を流すタイプがあります。
トイレタンクが内蔵されているタイプは、内蔵タンクからポンプを使って便器に水を流して水流を作り、便や紙を下水に流していきます。ポンプで水を押し出す点を除けば、外にトイレタンクがあるタイプと水が流れる仕組みはほぼ同じです。
水道管から直接水をトイレに流すタイプは、水道管内の水圧を利用して水を押し出し、トルネードの水流を発生させて水を流します。
トイレに水が流れる仕組みが大体わかったところで、水が流れない原因を一つずつ見ていきましょう。
トイレが流れない原因1:電源
トイレに水が流れない原因の1つ目は、トイレの電源がオフになっている場合です。これは全てのタイプの水洗トイレに言えることです。
具体的には以下のようなケースが考えられます。
- トイレの電源がオフになっている
- トイレのコンセントが抜けている
- ブレーカーが落ちている
- 停電している
トイレの電源が入っているかどうかは、機種によって確認方法が異なります。メーカーのホームページで確認してみて下さい。
トイレが流れない原因2:断水
トイレに水が流れない原因の2つ目は断水です。マンションやアパートに住んでいると、年に何回か断水の日がありますよね。水道管のチェックなどで数時間断水します。断水する際は数週間前に通知が来るのが一般的なので、来てないか確認してみて下さい。
タンクレストイレは断水中は流せない
水道管から直接水を流すタンクレストイレの場合は、断水していると全く水を流せません。断水中に水を流したい場合は、バケツに水をくんで勢いよく便器に流し込んでみてください。大便でも大体8Lくらいの水があれば完全に流しきれるはずです。
トイレタンクがある場合は1~2回は流せる
トイレタンクがあるタイプのトイレの場合は、タンクに水が溜まっていれば1~2回くらいは水を流すことができます。もしタンクに残っていた水を使い切ってしまった場合は、バケツに水をくんで、勢いよく便器に流し込んでみて下さい。
トイレが流れない原因3:止水栓
トイレに水が流れない原因の3つ目は、止水栓が閉じているケースです。
トイレタンクがあるタイプの場合は、タンクの蓋を開けて中に水がちゃんと溜まっているか確認してください。もしタンクの中が空の場合は、止水栓が閉じている可能性が高いです。
止水栓はタンクの横(タンクレスの場合は便器近くの床)にあります。マイナスドライバーなどを使って開けて下さい。
止水栓は勝手に閉じたり開いたりすることはありません。見に覚えがないのに止水栓が閉まっていた場合、考えられるとすれば、最近トイレの点検などがあって、その時水道業者が止水栓を閉じたまま返ってしまったなどのパターンでしょうか。
トイレが流れない原因4:ボールタップ
トイレに水が流れない原因の4つ目は、ボールタップが壊れているケースです。これはタンクがあるトイレの場合に考えられる原因です。
止水栓が空いているのにタンクに水が溜まっていない場合は、ボールタップが壊れている可能性があります。
ボールタップが壊れるとどうなる?
ボールタップは、トイレタンクの中で給水管からタンクへの給水を調整している部分です。ここが壊れるとタンクに水が溜まりません。
ボールタップが壊れている場合は、新品と交換するしかありません。
ボールタップの交換方法
ボールタップはホームセンターやAmazonなどでも売っていますが、結構種類があります。トイレメーカーに合ったものを購入して下さい。交換手順は以下のとおりです。
- 止水栓を閉める
- トイレタンクの中の水を抜く(バケツなどに水をうつす)
- モンキーレンチを使ってナットを外し、ボールタップを取り外す
- 新しいボールタップを取り付ける
- 止水栓を開く
- タンクにちゃんと水が溜まるか確認する
ボールタップを交換しても水がたまらない、もしくは水が溜まりすぎて溢れてしまう場合は、交換作業にミスがあります。自分で交換するのが難しい場合は水道業者に依頼しましょう。
トイレが流れない原因5:浮き球
トイレに水が流れない原因の5つ目は浮き玉に問題があるケースです。これもタンクがあるタイプのトイレで考えられる原因です。
レバーを回しているのに水が流れない・タンクに水が少ししかないという場合はこの可能性が高いです。
浮き球が動かない場合
浮き球は文字通り水に浮く球です。タンク内の水位に合わせて上下に動きます。指示棒でバルブと繋がっていて、タンクに水が十分溜まると浮き玉が上がってバルブが閉まるようになっています。
しかし、この浮き球が汚れなどに引っかかって上がったままになると、タンクに水が給水されなくなってしまいます。そうなるとトイレに水は流せません。ブラシで汚れを取り除いて下さい。
浮き球や支持棒が壊れている場合
浮き球が割れたり指示棒が折れている場合は交換が必要です。浮き球もホームセンターやAmazonなどで購入できます。ボールタップ同様にメーカーに合ったものを購入してくださいね。
浮き玉の交換手順を以下に示します。
- 止水栓を閉める
- トイレタンクの水を抜く
- モンキーレンチでナットを外してボールタップを外す
- 支持棒を固定しているネジを外して支持棒も取り外す
- 浮き球と支持棒を外す
- 新しい浮き球を指示棒につなぐ
- 支持棒を固定する
- ボールタップをもとに戻してナットで固定する
- 止水栓を開けてタンクに給水して、ちゃんと浮き球が動く確認する
トイレが流れない原因6:ゴムフロート
トイレに水が流れない原因の6つ目は、ゴムフロートに問題があるケースです。これもタンクがあるタイプのトイレで考えられる原因です。タンクに水は溜まっているのにトイレに水が流れない、もしくはずっとチョロチョロ水が流れ続けている場合は、ゴムフロートに問題がある可能性が高いです。
ゴムフロートが動かない場合
ゴムフロートはトイレタンクのゴム栓です。レバーと鎖で繋がっていて、レバーを回すとゴムフロートが開いてタンクから便器に水が流れます。一定の水を流したらすぐにまた閉まるようになっています。
しかし、ゴムフロートが汚れなどでくっついてしまって栓が開かなくなってしまうと、タンクに水は溜まっているのにトイレに水が流れなくなってしまいます。これはゴムフロート周りをブラシで掃除すれば解決します。
ゴムフロートや鎖が破損している場合
また、ゴムフロートが破損している場合、ずっとトイレにチョロチョロ水が流れっぱなしになり、タンクに水が溜まらなくなります。そうなるとレバーを回しても少ししか水が流れません。この場合はゴムフロートを交換する必要があります。
ゴムフロートの上の鎖がたるんだり切れている場合は、栓が開かなくなって水が流れなくなります。これは鎖の交換が必要です。
ゴムフロートや鎖もホームセンターやAmazonなどで売っています。ただ、鎖は長さがピッタリのものを選びましょう。長すぎると水は流れませんし、短すぎるとくっつけられません。
トイレが流れない原因7:レバーが空回り
トイレに水が流れない原因の7つ目は、レバーが壊れて空回りしているケースです。タンクに水は溜まっているのにレバーを回しても水が流れず、レバーを回したときに何かに引っかかる感触がある場合は、レバーが壊れている可能性が高いです。
特に多いのは、レバーの先の棒部分が折れてしまっているケースです。これは交換するしかありません。
トイレが流れない原因8:トイレ内部の故障
トイレに水が流れない原因の8つ目は、トイレ内部の電気系統などが故障しているケースです。特にタンクを内蔵しているタイプやタンクレストイレの場合は、電気系統が故障すると水を流せなくなります。
これは素人ではどうしようもないので、修理業者を呼ぶか、トイレを買い換えるしかありません。
トイレが流れない原因9:水圧が足りない
トイレに水が流れない原因の9つ目は、水圧が足りていないケースです。これは水道管から直接水を流すタンクレストイレの場合に考えられる原因です。
前述の通り、タンクレストイレは水道管内の水圧を利用して便器に水を流し込みます。なので、水圧が足りないと水が上手く流れないんです。
- マンションの2階以上の部屋
- 高台にある家
- 古い建物
などの場合は水圧が足りないことが多いため、タンクレストイレは向きません。
タンクレストイレを設置する際は、事前にちゃんと水道業者が水圧を調べてくれるんですけど、まれによく調べずに設置しちゃってるケースがあるので注意が必要です。
トイレが流れない原因10:トイレのつまり
これは少し番外編ですが、水は流れてくるのにトイレの奥に流れていかず水位が上がってしまう場合は、トイレがつまっている可能性が高いです。
トイレのつまりの直し方は、何をつまらせたかで変わってきます。
ラバーカップでつまりを直す
以下のような水に溶けないものを流してつまらせた場合は、ラバーカップ(すっぽん)を使って、詰まっている物を引っ張り出しましょう。
- ティッシュペーパー
- 海外製の安いトイレットペーパー
- 猫砂
- 指輪などアクセサリー
- スマホ
ラバーカップには和式用・洋式用・節水型用の3種類があります。普通の洋式トイレの場合は、下の画像のように、先端に突起がついたものを使いましょう。
出典:http://framgang.net/archives/1422.html
ラバーカップの基本的な使い方は以下の通りです。
- 先端の突起を排水口に合わせる
- ラバーカップをゆっくり押す
- ラバーカップを勢いよく引く
よくラバーカップで強く押し込んでつまりを解消しようとする人がいますが、それは使い方が間違っています。ラバーカップはあくまで詰まっている物を引っ張り出す道具です。押し込んでしまうと詰まってる物がどんどん奥に行ってしまいます。最悪マンションの縦の排水管をつまらせてしまうと、あなただけでなく上の階の人のトイレもつまってしまう大惨事になってしまうので注意して下さい。
ラバーカップの種類や詳しい使い方に関しては以下のページを御覧ください。
お湯や重曹でつまりを溶かす
トイレットペーパーや便など、水に溶けるものしか流していない場合は、あまり深刻に考える必要はありません。3~4時間ほど放置しておけば、水に溶けてつまりが解消されることが多いです。
なかなかつまりが解消されない場合は、ラバーカップで引っ張り出すか、お湯や重曹などを流してつまっているトイレットペーパーを溶かしましょう。
トイレに流せるタイプのお掃除シートはなかなか溶けないので、お酢と重曹を使って溶かすと良いです。詳しいやり方は以下のページを御覧ください。