「ボールペンと一緒に洗濯したら」
「服にボールペンの染みが!」
「自分で染み抜きできる?」
と、お悩みのあなた!
服に付いたボールペンの染みは、歯磨き粉など家にあるもので手軽に叩き落とせます。特別な染み抜き剤を買うは必要ありません。今回は、身近な物でボールペンの染み抜きをする方法を紹介します。
ここで紹介する方法を覚えておけば、仕事中にうっかりボールペンの染みを付けてしまってもイライラしなくて済みます。クリーニングでの染み抜きや、Yシャツの買い替えで余計なお金を使う必要もありません。
1.ボールペンの染みが落ちにくい理由
一度付いてしまうとなかなか取れないボールペンの染み。落ちない理由には次のような理由があります。
- 洗剤がインクの種類に適していない
- 染みが付いてから時間が経ってしまっている
1.1.インクの種類に適した洗剤を
一口にボールペンと言っても、油性インク、水性インク、ゲルインク…などの種類に分かれます。それぞれ落とせる洗剤も異なります。
油性インクは水には溶けないため、普通の洗濯洗剤を使って水洗いしても落ちませんし、水にも油にも溶けないゲルインクの染みも通常の洗濯では落ちないのです。
1.2.染みや汚れは時間が経つほど落ちなくなる
ボールペンの染みに限ったことではありませんが、汚れは時間が経つことで酸化・変質を起こして落としにくくなります。
いつか時間ができたときに染み抜きすればいいからと、染みが付いたまま放置したり通常の洗濯を繰り返したりして、気が付けば何か月も過ぎていた…などという状態の染みは、かなり落とすのが難しいと言えます。
2.インクの種類別ボールペンの染み抜き方法
それでは、ボールペンの染み抜き方法を、インクの種類別に紹介していきます。いずれの場合も、洗濯表示で水洗いできる素材であることを確認し、染みが付いてからなるべく早く処理するようにしてください。
2.1.油性ボールペンの染み抜き方法
油性ボールペンの染みはアルコールを使ってインクを溶かし、油汚れに強い食器用洗剤で落とします。
【用意するもの】
- 消毒用エタノール
- 食器用洗剤
- 綿棒(もしくは歯ブラシ)
- キッチンペーパー(ティッシュや古布でも可)
【手順】
- 消毒用エタノールと食器用洗剤を1:1で混ぜて染み抜き液を作ります。
- ボールペンの付いた部分(表側)をキッチンペーパーに当てます。
- 綿棒に作った染み抜き液を付けます。
- ボールペンの染みの裏側から、染み抜き液を付けた綿棒で、染みをキッチンペーパーに移すようにトントンと叩きます。
- キッチンペーパーのきれいな部分が当たるようにずらしながら、~4.を繰り返します。
- 染みが目立たなくなったら、通常通り洗濯します。
【注意点】
- 色柄物の服の場合は、目立たないところで染み抜き液を試し、色落ちがないことを確認してください。
- 生地が傷んだり毛羽立ったりする原因になるので、綿棒(もしくは歯ブラシ)ではなるべくこすらずに、トントンと叩くようにします。
2.2.水性ボールペンの染み抜き方法
水性インクは溶剤に水を使用しているため、基本的には通常の洗濯に使用する洗剤や石鹸を使った水洗いで落ちます。しかし、色素が残った場合は酸素系漂白剤を使用します。
【用意するもの】
- 洗濯洗剤(食器用洗剤や固形石鹸でも可)
- 酸素系漂白剤
【手順】
- ボールペンの染み部分に洗剤を付け、指で揉み込みます。
- 水かぬるま湯で洗い流します。
- 染みが目立たなくなるまで~2.を繰り返します。
- 色素が残る場合は、酸素系漂白剤を染み部分に染み込ませ、表示の規定時間浸け置きします。
- 水かぬるま湯で洗い流し、通常通り洗濯します。
【注意点】
- 色柄物の場合は、洗剤・酸素系漂白剤ともに目立たないところで試し、色落ちしないことを確認してください。
- 化繊は浸け置きすると一旦落ちた汚れが繊維に戻る「再汚染」を起こしやすいので、浸け置きは避けるか30分程度までに留めましょう。
2.3.ゲルインクボールペンの染み抜き方法
水にも油にも溶けないゲルインクはとても落としにくいです。歯磨き粉で染みを叩いて、根気よく落としていきましょう。
【用意するもの】
- 歯磨き粉
- 食器用洗剤
- 歯ブラシ
- キッチンペーパー(ティッシュや古布でも可)
【手順】
- ボールペンの染みの上に歯磨き粉を少量のせます(表側)。
- 歯磨き粉をのせた部分をキッチンペーパーに当てます。
- 染みをキッチンペーパーに移すような感覚で、生地の裏側から歯ブラシを押し当てるように染みの部分を叩きます。
- キッチンペーパーのきれいな部分が当たるようにずらしながら、~3.を繰り返します。
- キッチンペーパーに染みが移らなくなったら、歯磨き粉の代わりに食器用洗剤を付けます。
- 染みをキッチンペーパーに移すように、生地の裏側から歯ブラシでトントンと叩きます。
- 染みが目立たなくなったら、通常通り洗濯します。
【注意点】
- 色柄物の場合は、歯磨き粉・食器用洗剤ともに目立たないところで試し、色落ちしないことを確認してください。
- 歯磨き粉を付けたときは多少こすっても良いですが、歯ブラシの先を生地に押し当てたまま軽く揺らすように動かすと、生地が傷みにくいです。
以上の方法でたいていのボールペンの染みは落ちますが、私の経験上、水性インクとゲルインクは多少色が残ることが多いです(ほとんど目立たないですが)。
ボールペンの先をしまい忘れて胸ポケット付近を汚してしまうことも多く、仕事の際はなるべく汚れても落としやすい油性ボールペンを使用するようにしています。
インクの特性に合わせてキレイに染み抜きを
今回のボールペンの染みについての内容をまとめます。
- インクの種類によって染み抜き方法を変えなければ落ちない
- 時間が経つと酸化・変性して落としにくくなる。
- 油性ボールペンの染み抜きにはアルコールと食器用洗剤を用いる
- 水性ボールペンの染みは、洗濯洗剤と酸素系漂白剤で水洗いをする
- ゲルインクは歯磨き粉を使って根気よく叩いて落とす
クリーニングに出しても「これ以上は落ちません」との札が付いて返ってくることの多いボールペンの染み。これからは自分で落とすものだという気持ちで、早め早めに処理するようにしましょう。