【無実なのに強制退去】騒音で警察を呼ばれた大学生の話

騒音で通報されたあなた!
騒音は場合によっては罪に問われます。1回目は注意だけで済みますが、何度も通報されると逮捕されることもあります。たとえ騒音に心当たりがないとしても、きちんと対応しないとヤバいですよ。

僕は大学1年生の時、騒音を出した覚えがないのに下の階のババアに警察を呼ばれて、最終的にはマンションの管理会社から強制退去させられたことがありました。今思い出しても腸が煮えくり返る思いです。でもそれから大学で法律を学び、騒音トラブルへの正しい対処法がわかりました

そこで今回は、実際に騒音で通報されて強制退去させられた体験談と、そこから学んだ騒音トラブルの対処法を解説します。

この記事で解決する疑問・悩み
  • 騒音で通報されるとどうなるの?
  • 警察が来たらどう対応すればいいの?
  • 通報された後は何をすればいいの?
  • 騒音に心当たりがないときはどうすればいいの?

普通に生活しているだけなのに、いきなり騒音で警察呼ばれたら腹立ますよね。でも騒音トラブルは刑事事件にも発展しかねないので冷静な対処が必要です。

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【実体験】騒音で警察に通報されるとどうなる?

大学1年生の春、僕は大学デビューに失敗してぼっち生活をしていました。陽キャ大学生みたいに宅飲みしたり馬鹿騒ぎをすることなく、静かに暮らしていたんです。生活音といったら週に一度の掃除機と音量6のテレビ音くらいでした。

しかし、とある平日の深夜、突然インターホンがなりました。玄関の覗き穴を見ると、警察官が2人立っていました。ビックリして心臓が止まりそうになりました。何も悪いことはしてないのになんで?って。

警察官が注意に来た

ドアを開けると「◯◯署のものです。騒音で通報がありました」と言われました。僕は心当たりがなかったので「は?」となりました。

それから「下の階の住人からテレビの音がうるさいと苦情があったので気をつけるように」と注意されました。

僕は「うちはテレビつけてないです。別の部屋じゃないんですか?」と少しキレ美味に返したんですが、警官は「あなたの部屋からだと苦情があったので」と取り合ってくれませんでした。

名前と職業を聞かれた

それから名前と職業を聞かれました。普通に本名と大学生であることを告げると、警察官は「やっぱりな」みたいな顔をして、「大学生はうるさいから苦情が多い」「宅飲みしても騒がないように」みたいな注意をされました。証拠もないのに決めてかかられてイライラしました。

それから通報者は誰か聞いたんですけど、それは答えられないと言われました。一応そこは守秘義務みたいなのがあるみたいです。でも最初に「下の階から~」って言っちゃってたので、下の部屋の神経質そうなババアだなってのはすぐに検討がつきました。

騒音は犯罪になると言われた

警官に任意同行を求められたり逮捕されたりみたいなことはありませんでしたが、「今後も騒音が続くようだと軽犯罪法違反になる」とか、「被害者が騒音による健康被害を訴えた場合は傷害罪になる可能性もあるから注意しろ」だの軽い脅しを受けました。大体10分くらいしてから警官は帰っていきました。

その後、一応自分でも調べてみたところ、確かに騒音は罪になるケースがあることがわかりました。具体的には軽犯罪法の「静穏妨害の罪」に該当します。軽犯罪法には以下のように記されています。

公務員の制止をきかずに、人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者は、これを拘留又は科料に処する。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/軽犯罪法

要するに、ただ騒音を出しただけなら罪にはならないけど、それを警察官(公務員)とかに注意されても止めない場合は逮捕できるという話です。

また、健康被害が生じるほどの騒音は傷害罪になるケースもありました。平成16年、女性住人が毎晩ラジオやアラームを大音量で鳴らし続け、そのせいで隣人が頭痛・睡眠障害になった事件があったのですが、その女性は傷害罪で逮捕され実刑判決が下されています(最高裁判所判例集)。

でもまぁ、僕の場合は騒音を出していないので、軽犯罪法違反でも傷害罪でも逮捕されるいわれはなかったんですけどね。

何度も通報された

1回通報されてからしばらくは平穏な日常が戻ったんですけど、2週間後くらいにまた警察を呼ばれました。その時は1回目とは別の警官が来て、また1から説明し直さないといけなかったのでまたイライラしてしまいました。

その後も2回警察を呼ばれて、そのたびに心当たりが無いことを説明しましたが、取り合ってくれませんでした。

ご近所トラブルに発展

最終的には、下の階のクソババアから直接苦情を言いに来られて口論になりました。それから、どうやら警察だけでなくマンションの管理会社にも苦情を言ったらしく、そっちからも注意を受けました。本当に身に覚えがないのでうつ病になりました。

これ以上は限界だったので、大学が夏休みに入った8月のタイミングで引っ越そうと思っていたのですが、その1ヶ月前に管理会社から退去するように言われ、ほぼ強制退去みたいな形で出ていきました。その頃はもう怒る気力も無くて、ただただ言われるがままに退去して一旦実家に戻りました。

無実の僕が強制退去させられた3つの理由

当時は、どうして何もしていない僕が騒音の濡れ衣を着せられ強制退去させられなきゃいけないのか理解できず、怒りに震えていました。僕を通報したクソババアや僕の話を一切聞かないクソ警官共への復讐も考えました(復讐は家族に止められて何とか思いとどまることができました)。

しかし、今あらためて当時のことを振り返ってみると、僕にも非はあったなと思います。騒音に関しては心当たりがありませんが、警察への対応などには問題があったと思うんです。

無実なのに僕が強制退去させられた原因として考えられるのは以下の3つだと思います。

警察に対して感情的になった

まず1つは警察官に対して感情的になってしまったことです。騒音に身に覚えがないのに注意されて、ついつい反抗的な態度を取ってしまいました。これじゃあ警察官に「こいつヤバい奴だな。まじで騒音出してそう」と思われても仕方がないなと、今となっては思います。

騒音トラブルは「実際に騒音が発生しているケース」と「神経質な人が許容範囲内の生活音を騒音だと訴えているケース」の2種類があります。なので警察は騒音で通報があると、まずどちらのケースなのかを判断しようとします。

警察官は超能力者じゃないので真実は分かりません。だから客観的な事実に基づいて判断します。また、警察官はロボットでもありません。警察官も感情を持った普通の人間です。

だから騒音で通報された人が感情的になってたら「こいつは騒音出してそうだな」と思うのはごく自然なことです。ここは僕が間違っていました。

一人で戦った

2つ目は一人で戦ったことです。騒音トラブルは「騒音がした」「いや静かにしている」の水掛け論になりやすいので、自分の主張を信じてもらうには第三者の味方が必要です。他の住人に証言してもらったりするべきでした。

無実を証明する証拠がなかった

3つ目は証拠を用意していなかったことです。騒音を出していないなら、家の中を録画・録音したりして、通報があった時間帯に騒音がなかったという確固たる証拠を用意すべきでした。これがあれば警察官も信じてくれたと思います。

騒音で警察を呼ばれた時の正しい対応

上記の体験談を踏まえて、騒音で通報された時の正しい対処法をまとめました。すでに警察を呼ばれてしまった人も、次通報されたときのためにチェックしておいてください。

心当たりがなくてもまず謝罪

まずは心当たりがなくても、警察官に謝罪しておきましょう。「騒音で通報がありました」と言われたら、「お手数おかけして申し訳ありません」とまずは警察官に謝罪しましょう。これだけでかなり印象が変わります。

その後で、心当たりがある場合は「ひょっとして◯◯の音でしょうか?」と通報があった騒音の詳細を聞きましょう。もしテレビも電気も消して寝ていたなら、「もう寝ていたのですが、いびきの音でしょうか?」みたいに聞いてみてください。

もしそれで警察官が「いいえ、▲▲の音がうるさいと苦情が来ています」と言われ、心当たりがない場合は「うちには▲▲はないので、別の部屋ではないでしょうか」と丁寧に冷静に事実だけを伝えましょう。大学1年時の僕みたいに感情的になってはいけませんよ。

もし警官が言った騒音に心当たりがある場合は、丁寧に謝罪した後、通報者にあなたが反省していたこと・謝っていたことを警察から伝えてもらうようお願いしてみてください。

騒音の発生源を明確にする

もし警察に言われた騒音について、別の発生源に心あたりがある場合はきちんとそれを伝えましょう。マンションは構造上、音が複雑に反響するため騒音の発生源が分かりにくいんです。なので、上の部屋がうるさいと思ったら実は斜め上の部屋だったみたいなことが多々あります。

もし警察官が「▲▲の音がうるさいと通報がありました」と言って、自分のその音が他の部屋から聞こえたことがある場合は、「実はうちも隣の部屋から▲▲の音がして悩んでいるんです」みたいに伝えましょう。実際にその騒音が聞こえた日時や音量など詳しく話せばちゃんと信じてもらえます。

そして、通報者にも騒音の発生源が別だったことを警察官から伝えてもらうようにお願いしましょう。まぁ、これはお願いしなくても伝えてくれるとは思いますけど念のため。

一応、騒音対策する

警察が帰った後は、念のため自分でも騒音対策しておきましょう。参考までに僕が心がけている騒音対策を以下に示します。

  • 音のしない柔らかいスリッパを履く
  • 掃除機は12~18時の間しかしない
    (休日しか掃除機かけられない)
  • 22~6時はお風呂に入らない
    (排水の音も響いたりするから)
  • 22~6時は洗濯機を使わない
    (洗濯機も結構うるさい)
  • 寝る前に換気扇をオフにする
    (たまに換気扇から変な音がする時がある)
  • 22時以降はTVもPCもスマホもイヤホンを使う

これだけきちんと騒音対策しておけば、もしまた通報された時に「以前通報があってからはこのような騒音対策をしています。もし騒音被害が前と変わらないようなら発生源はうちではないと思います」ってちゃんと言えますからね。

騒音の濡れ衣を着せられた時の対処法

全く心当たりが無いのに騒音の犯人にされた場合は、きちんと自分の無実を証明しましょう。じゃないと僕みたいに強制退去させられることにもなりかねません。

第三者に無実を証明してもらう

まずは自分が無実である証拠を用意しましょう。1日中、自分の部屋の様子をビデオ録画しておけば、騒音を出していないことを証明できます。

もしそれでも信じてもらえない場合は、第三者に騒音がないことを確認してもらいましょう。

騒音が全くないのに神経質なバカが騒音だと騒いでいる場合は、近隣の他の住人から管理会社や警察に「そもそも騒音なんて聞こえない」と伝えてもらえると効果的です。ただ、これは騒音が全くないときの手です。

あなたの部屋以外から騒音がしている場合は、発生源が分かりにくいため、他の住人に聞いてもどこから騒音がしているか特定できません。その場合は騒音調査の業者を呼んで発生源を特定してもらいましょう。調査にはお金がかかるので、まずは管理会社に業者を呼んでもらうようにお願いしてみてください。

警察の対応がおかしいときは公安委員会

無実の証拠を揃えても警察から騒音の犯人扱いされる場合は、その警官の名前を所属を聞いて、公安委員会に苦情を入れましょう。公安委員会は警察を管理する行政委員会です。警察の素行等に問題がある場合はここに苦情を入れるのが一番効果的です。警察署に苦情を入れてももみ消されるのがオチですからね。「都道府県名 公安委員会」と調べれば電話番号が出てきます。

ぶっちゃけ警察官って誰でもなろうと思えばなれる職業なので、変な奴は結構います。警官が同僚にパワハラ・セクハラした・下着を盗んだ・発砲したみたいなニュースも結構見ますよね。

なので、明らかに聞く耳を持たなかったり対応がおかしい場合は、その警官の名前と所属を聞いてください。答えない場合は通報しちゃって大丈夫です。「警察を名乗る2人組が家に来ているが、本当に警察なのか確認するために名前と所属を聞いても答えず、明らかに対応がおかしい」と苦情を入れましょう。

逆に通報者を訴える

通報者があまりに悪質な場合は、逆にそいつを訴えることも視野に入れてもいいかもしれません。

例えば、他の住人がいる前で「騒音の発生源はこいつだ!」と濡れ衣を着せられた場合は、名誉毀損侮辱罪で訴えることができます。ちなみに侮辱罪は「公然と人を侮辱した」場合に成立し、名誉毀損罪は「公然と事実を提示し名誉を傷つけた」場合に成立します。どちらも「公然と(人前で)」じゃないと成立しないので注意してください。

また、全く関係ないことの逆恨みなどで騒音トラブルをでっち上げられて、警察に通報されたり被害届を出された場合は、きちんと自分の無実を証明すれば逆に相手を虚偽申告罪で訴えることもできます。虚偽申告罪は「相手に刑事処分・懲戒処分を受けさせるために、故意に虚偽の申告をした」場合に成立します。

騒音トラブルがないマンションの探し方

結局マンションは隣人ガチャです。ヤバい隣人に当たると騒音被害にあったり、逆に騒音の濡れ衣を着せられたりします。

騒音トラブルに遭いたくないなら、トラブルがない物件を探すしかありません。最近はご近所トラブルの口コミも結構ありますし、隣人調査なんかをしてくれる業者もいるので、そういうのを積極的に活用していきましょう。

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