「人参は買って2~3日でしなびてしまう」
「冷凍保存は可能?」
「根菜だから常温保存がいいの?」
と、人参の保存にお困りのあなた!
水分が奪われない工夫をすれば、人参は生のままでも1ヶ月ほど長持ちさせることができます。適当な大きさに切れば、冷凍保存も可能です。今回は人参を少しでも長持ちさせる保存法を紹介します。
保存法に工夫をして長持ちさせられれば、袋売りや詰め放題などの特売のときにまとめ買いができて食費の節約になりますよ。すぐ使える状態にしてまとめて冷凍保存しておけば、忙しいときにもサッと料理ができて便利です。
1.人参が傷んでしまう原因
人参の食味が悪くなったり腐ったりしてしまう原因は、主に次の3つになります。
- 乾燥してしまう
- 成長しようとして養分が奪われる
- 雑菌が繁殖しやすい
1.1人参が乾燥してしまう
洗浄して土を落としてから売られている人参は、実は皮が既に剥かれた状態になっています。人参の皮は非常に薄い膜のような物なので、洗浄する際に取り除かれてしまうのです。
つまり、土付き以外のスーパーで売られている人参は、皮のない裸の状態なので、水分も蒸散しやすく乾燥もしやすいのです。特に、先の細い方から乾燥してしなびてくることが多いですよね。
根菜はそのまま置いておいても長持ちするようなイメージがありますが、皮や土がついたまま売られている他の根菜とは違うので注意しましょう。
1.2.人参は収穫後も成長しようとしている
人参をしばらく放置していて、ヘタの部分から葉が生えたり、先の方からヒゲ根が生えたりした経験はありませんか?あれは収穫された後も、人参に成長しようとする力が残っているからなんです。
葉や根が成長するために養分や水分を奪われてしまうと、中がスカスカになったり、しなびたりしてしまいます。この様な場合、食べても健康上問題はありませんが、食味は悪くなっています。
1.3.人参は雑菌が繁殖しやすい環境
人参に豊富な糖分は、雑菌の栄養分になります。余計な水分が付着したままの状態で保存していると、豊富な栄養分と水分で、雑菌が繁殖しやすくなります。
また、人参の表面には凹凸があり、へこんだ部分には雑菌も溜まりやすくなります。凹凸の他にも傷があれば、雑菌が溜まってそこから腐ります。
買ってきた袋入りの状態のまま放置していると、人参から蒸散した水分が袋の内側に溜まって雑菌が繁殖し、ぬめりが出て溶けたような状態になり、腐敗してしまいます。
なので人参を買う際は、凹凸が少なく滑らかで傷がないものを選びましょう。そして買ってきたら袋から出しましょう。
2.生のままで人参を長持ちさせる冷蔵保存方法
人参は生のままでも「傷んでしまう原因」を取り除けば長く保存できます。冷蔵庫の野菜室で、2~3週間程度保存可能です。
【用意するもの】
- キッチンペーパー
or 新聞紙 - サランラップ
- ジッパー付き保存袋
手順は以下の通りです。
1.人参をしっかり洗い水気を切ります
洗った後はしっかり水気を切ってください。人参は乾燥に弱いですが、水分が過剰でも腐ってしまうので。
2.人参の両端を5mmずつ切り落とします。
葉を生やして成長しようとするヘタと、乾燥しやすく根を生やそうとする先の方を切り落としてしまうことで、成長する力を止めてしまいます。
3.人参の切り口にラップをします
切り口をそのままにしておくと、乾燥してそこから腐敗するので、切った後はすぐにサランラップで密閉しましょう。
4.人参を一本ずつキッチンペーパーで包みます。
また、乾燥するとしなびてしまい、水分が過剰だと腐ってしまうのを防ぐために、キッチンペーパーか新聞紙に包んで適度に保湿します。
5.ジッパー付き保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室に
包んだ人参をジッパー付き保存袋に入れて、空気を抜いて密閉してください。あとはそれを冷蔵庫の野菜室に立てて保存します。
立てて保存するにももちろん理由があります。人参に限らず野菜は収穫前と同じ状態にすると長持ちするんです。人参は収穫前は土の中に縦に埋まってますよね。だから保存する時も収穫前と同じ姿勢で立てて置いとくだけで長持ちするんです。
【補足】
人参を冷蔵庫で保存する際は、りんごと一緒に保存するのは避けましょう。というのも、りんごが発するエチレンガスによって、人参が苦くなってしまうんです。
3.人参を1ヶ月間冷凍保存する方法
適当な大きさにカットすれば、人参も冷凍保存が可能です。すぐに調理できるように、使いやすい大きさに切って冷凍しましょう。ここでは、生で冷凍する方法と、ゆでて冷凍する方法を紹介します。
3.1.生の人参は細かく切って冷凍
乱切りなどの大きめだと食感が悪くなってしまうので、生の場合は細かくカットしてから冷凍します。冷凍庫で3週間ほど保存可能です。
【用意するもの】
- 冷凍保存袋
- アルミトレイ
【手順】
- 人参を「細切り」「みじん切り」「短冊切り」「いちょう切り」など、細かい状態、薄い状態にカットします。
- 空気を抜いて冷凍保存袋に密閉します
- アルミトレイに乗せて冷凍庫に入れます
なるべく細かい方が食感に影響がありません。細切りをスープやきんぴらにしたり、みじん切りをチャーハン使ったりするのがおすすめです。冷凍することによって繊維が壊れるので、火の通りも早くなります。
最後にアルミトレイを使っているのは、早く冷凍するためです。冷凍する時間が長いとその間に人参の品質が下がってしまいます。なので冷たくなりやすいアルミトレイの上に乗せて、素早く冷凍させましょう。
3.2.切ってゆでてから冷凍
少し大きめにカットして保存したい場合は、ゆでてから冷凍しましょう。冷凍庫で1ヶ月ほど保存可能です。
【用意するもの】
- 冷凍保存袋
【手順】
- 人参を乱切りや輪切りなど、使いやすい大きさに切ります。
- 切った人参をかために下ゆでします。
- 湯を切って冷まし、水気を拭き取ります。
- 空気を抜いて冷凍保存袋に密閉する
- アルミトレイに乗せて冷凍庫で入れます。
下ゆでの際は水から入れて、竹串を刺して奥に芯が残っているくらいの状態までゆでます。かために下ゆですることによって、大きめに切っても色や風味をキープすることができます。
じゃがいもも茹でてから冷凍することで美味しさを保ったまま保存することが可能です。詳しくはこちら↓
⇒ 切ったじゃがいもも1ヶ月持つ!加熱冷凍保存方法
3.3.冷凍保存した人参の調理方法
冷凍した人参の調理方法としては
カレーや肉じゃがなどの煮物・汁物に使う際は、解凍せずにそのまま入れてください。
ただし、野菜炒めやチャーハンなど油を使って加熱する場合は、電子レンジの解凍モードか弱モードで解凍して、水気を切ってから加熱しましょう。じゃないとすごい油がハネるので。私はそれで顔に火傷を負いました。
生野菜のサラダとして冷凍人参を使う場合は、冷蔵庫で8時間ほど自然解凍させてから加えることをおすすめします。ちなみに我が家では、人参だけじゃなく生野菜サラダに使うきゅうりも冷凍保存しています。
⇒ 【きゅうりも冷凍保存できる!】塩もみ冷凍で10倍長持ち
4.人参が腐っている時のサイン
ここまで紹介してきた方法で保存すれば、人参はかなり長持ちします。各保存方法の保存期間を以下にまとめます。
- 冷蔵保存⇒2週間
- 生のまま冷凍保存⇒3週間
- 茹でてから冷凍保存⇒1ヶ月
ただし、冷蔵庫・冷凍庫の不具合や庫内の状況によっては、保存期間内でも人参が腐ってしまう場合があります。人参が以下のようになったら腐っているので要注意です。
- 黒や茶色に変色している
- 人参周りがヌメヌメする
- 酸っぱい臭いがする
- カビが生えている
- 触ったらブヨブヨしている
- 明らかにしわしわになってる
もちろん、腐っている部分が一部であれば、そこを取り除けば他は食べられます。
人参も用途に応じて長持ち保存
ここまでの内容をまとめます。
- 人参が日持ちしない原因は、乾燥、収穫後の成長、雑菌の繁殖などである
- ヘタと先を切り落とし適度な保湿をすれば、一本を生のままでも長持ち
- 生の人参を冷凍する際は、細かく薄く切る
- 大きめにカットした人参を冷凍する際は、かために下ゆでする
用途に応じて保存法を使い分ければ、まとめ買いした人参も無駄なく消費できます。