「キャベツを一玉買ったけど食べ切れない」
「すぐ駄目になってしまう」
というあなた!
キャベツは成長点を潰してしまえば3週間冷蔵保存が可能です。半調理すれば2ヶ月程度の冷凍保存も可能です。というわけで今回はキャベツを長持ちさせる保存方法を紹介します。
キャベツは使い道の多い野菜なので、カットよりも一玉まるごと買って使いこなす方が経済的です。キャベツは冷凍することで保存期間が長くなるだけでなく、調理時間も短くなるのですぐに使えて便利ですよ。
1.キャベツが長持ちしない原因
キャベツは買ってきたままの状態で冷蔵庫に入れておくとすぐ腐ってしまいます。主な原因は次の2点です。
- 芯が葉の水分・栄養を奪うから
- ラップについた水分に雑菌が繁殖するから
1.1.芯が葉の水分・栄養を奪うから
キャベツは収穫された後も成長を続けようとしています。植物が成長するのには水分と栄養が必要です。
キャベツは茎(芯の部分)を伸ばして成長しようとしますが、その際に葉から水分・栄養を得ようとするため、葉がシワシワにしおれてしまうのです。
1.2.ラップに付いた水分に雑菌が繁殖するから
また、カットキャベツの場合は
ラップで包まれたまま置いておくと、キャベツから蒸発した水分がラップについて、そこに雑菌が増殖してキャベツが傷んでいきます。なにせキャベツの水分量は9割以上ですから。
雑菌は水分を好むので、水分のあるところから雑菌が増殖して傷みが始まるのです。キャベツは9割が水分なので、数日でドロドロと溶けたように腐ってきます。
以上の原因を踏まえて、キャベツを長持ちさせる保存方法を見ていきましょう。
2.キャベツを生で使いたい場合は一玉丸ごと冷蔵保存
野菜サラダなど、キャベツを生で使いたい場合は冷蔵保存をおすすめします。
冷蔵保存する際のキャベツは、カットキャベツではなく一玉丸ごとにしてください。カットキャベツだと切り口から水分が抜けて鮮度が落ちやすいので。
キャベツの保存に最適な温度は0~5℃なので、冷蔵庫の野菜室に保存します。冬場は冷暗所でも常温保存が可能です。
保存期間は2~3週間程度です。
2.1.キャベツの冷蔵保存手順
【用意するもの】
- 爪楊枝 3~4本
- ビニール袋
【手順】
- キャベツを芯の方を上にして置きます。
- 芯に爪楊枝を3~4本刺します。
- 爪楊枝の頭が1~2cmほど出ているくらいの深さまで、スプーンを当てて押し込みます。
- そのままビニール袋に入れる
- 芯の部分が下になるように野菜室に入れる
出典:http://blog.goo.ne.jp/story_since2008/m/201507
爪楊枝を刺す際は、3本なら正三角形、4本なら正方形と、間隔が均等になるように刺します。(上画像参照)
この方法は、葉物野菜の芯にある成長する力を持っている「成長点」を壊してしまう手法です。収穫後も続く芯の成長を止めて、葉の水分が奪われるのを防ぎます。
他にも成長点を壊す方法として「芯をくり抜いて濡らしたキッチンペーパーを詰める」というやり方もありますが、これだとキッチンペーパーをこまめに取り替える必要があったりと手間がかかります。
その点、爪楊枝を刺す方法なら余計な手間がかからないのでおすすめです。
2.2.冷蔵保存したキャベツの使い方
使うときは、カットせずに外側の葉から一枚ずつはがして使いましょう。カットしてしまうと切り口から傷んできます。
あと、ビニール袋の中にもキャベツから蒸散した水分が溜まっていないか、使う度に確認してくださいね。溜まっていたら水を捨ててビニールを取り替えてください。
3.キャベツを加熱調理したい場合は冷凍保存
キャベツを生で使うのではなく、炒めたり茹でたり加熱調理する場合は冷凍保存がおすすめです。
保存方法によっては2ヶ月以上長持ちします。また、冷凍すると火が通りやすくなるので調理時間も短縮することが出来ます。
ここでは、「生のまま冷凍」「ゆでて冷凍」「炒めて冷凍」の3パターンを紹介します。いずれの場合も、冷凍焼けを防ぐためにしっかりと空気を抜いて冷凍することが大切です。
3.1.生のまま冷凍(1ヶ月程度保存可能)
まず1つめは生のまま冷凍する方法。
保存期間は1ヶ月と少し短いですが、
- 炒め物
- 汁物
- 和物
- その他(お好み焼きの具など)
などなど汎用性が高いです。
【用意するもの】
- キッチンペーパー
- 冷凍保存袋
- アルミトレイ
【手順】
- 千切り、みじん切り、ざく切りなど、キャベツを使いやすい大きさに切ります。
- 切ったキャベツを1~2分冷水にさらします
- キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ります。
- そのまましっかりと空気を抜くようにして広げて冷凍保存袋に入れます
- 冷凍庫にアルミトレイを置き、その上に保存袋を置きます
凍るまでの時間が長ければ長いほど、キャベツの組織が壊れてしまいます。なので冷えやすいアルミトレを敷くことで、冷凍時間を短縮しています。
【調理方法】
炒め物や汁物などに使う場合は、凍ったまま調理してしまってください。食感はしんなりとしていて、シャキシャキ感はないですが、野菜スープやパスタなどには最適です。
電子レンジで軽く解凍すれば、和え物やお好み焼き・餃子の具などにも使えます。私はからしあえにして食べることが多いのですが、結構いけますよ。
3.2.ゆでて冷凍(2ヶ月程度保存可能)
2つ目は茹でてから冷凍する方法です。保存期間は2ヶ月程度と長持ちしますが、水っぽくなるため炒め物には向きません。
汁物か和物、お好み焼きの具などに使う場合におすすめの保存方法です。
【用意するもの】
- キッチンペーパー
- ラップ
- 冷凍保存袋
- アルミトレイ
【手順】
- キャベツをざく切りに切る
- 切ったキャベツを15秒ほど沸騰したお湯で茹でる
- 冷水に取ります。
- キッチンペーパーで水気を取ります
- 使いやすい分量ずつ空気を抜いてラップに小分けします。
- ラップで包んだ物を冷凍保存袋に入れます
- アルミトレイの上に乗せて冷凍庫に入れます。
みじん切りや千切りは茹でるとグシャグシャになってしまうので、ざく切りをおすすめします。
また、茹でる時間は短く。
10~15秒くらいが良いです。
長く茹ですぎると水っぽくなりすぎるので。
【調理方法】
冒頭にも書いた通り、茹でて冷凍したキャベツは少し水っぽいので炒め物には向きません。
凍ったまま野菜スープなど汁物に入れて使うのがおすすめです。和物やお好み焼きの具として使う場合は、30秒ほど茹で直して水気を切ってから使いましょう。
3.3.炒めて冷凍(2ヶ月程度保存可能)
最後に炒めて冷凍する方法を紹介します。これは完全に加熱調理用キャベツの保存方法です。2ヶ月保存可能ですが、汁物には向きません。
【用意するもの】
- 塩こしょう 各少々
- ラップ
- 冷凍保存袋
- アルミトレイ
【手順】
- キャベツをざく切りにします。
- 塩こしょう各少々でサッと炒めます。
- 使いやすい分量ずつ空気を抜いてラップに小分けします。
- ラップで包んだ物を冷凍保存袋に入れます
- アルミトレイの上に乗せて冷凍庫で保存します。
【調理方法】
冷凍したことで火が通りやすくなっているので、炒める場合は他の食材に火が通ってから入れましょう。また、水分が出やすいので強火で炒めて水分を飛ばした方が美味しく出来ます。
また、味がついているので、電子レンジで解凍してそのまま食べることもできます。私のおすすめは、解凍したキャベツをそのままクリームパスタに和える。美味しいですよ。
キャベツは冷凍保存すると変色することがある
ここまでの内容をまとめます。
- キャベツは収穫後も成長しようとして葉の水分を奪うのでシワシワになる
- 水分に触れたままにすると雑菌が繁殖しやすくなり傷んでしまう
- 生で食べたい場合は、芯に爪楊枝を刺して一玉丸ごと野菜室
- 野菜室での保存期間は2~3週間
- 加熱調理したい場合は冷凍保存
- 冷凍保存期間は1~2ヶ月
キャベツは冷凍すると緑から茶色に変色することがあります。これはキャベツの表面が空気に触れて酸化しているサインなので、食べずに捨ててください。
冷凍する際は、キャベツが空気に触れないようにしっかり密閉して保存してくださいね。