…とお困りのあなたに向けて、今回は「停電したらやること」を詳しく解説します。
- 自分の安全確保
- 家電のコンセントを抜く
- 停電の範囲を確認
- うちだけ停電している場合は電力会社に連絡
- マンションだけ停電している場合は管理会社に連絡
- 地域一帯が停電している場合は長期停電に備える
停電しても慌てず対処しましょう。
まずは自分の安全確保
停電するとすぐにブレーカーを見に行きたくなりますが、まずは安全確保から始めましょう。
特に夜に停電した場合は暗くて危ないですから、まずは灯りを点けましょう。懐中電灯やランタンが近くにあればいいですが、ない場合はスマホの明かりでもOKです。コンセントに停電時自動点灯ライトを挿しておくと勝手に点灯してくれるので停電時も安心です。
また、震災による停電の場合は揺れが収まるまでは机の下などに隠れていましょう。「これくらいの揺れなら大丈夫っしょ」と思って移動してたら、急に大きな揺れが来て、物が落ちたり倒れたりしてくることがあるので(東日本大震災で実際に経験しました)。
家電の故障を防ぐ
自分の安全を確保したら、次は家電の安全確保です。というのも、停電によって家電が故障する恐れがあるからです。正確には停電から復旧したときの過大な電圧や電流によって家電が故障するリスクがあります。これは必ず起こるわけではありませんが、可能性はあります。
なので、停電したら家電の電源を切って、電源プラグをコンセントから抜きましょう。
パソコン周辺機器
パソコン等のデータが消えたら困る家電は優先してコンセントから抜きましょう。仕事のデータとかを保存している場合はヤバいですからね。
- パソコン
- ハードディスク
- スマホ(充電中の場合)
- タブレット(充電中の場合)
デスクトップパソコンを使用している場合は、停電すると電源が切れるので、それでデータが消えてしまう危険性があります。停電しても電源が切れないようにUPS(無停電電源装置)の導入をおすすめします。UPSはコンセントに挿すアダプターのようなものです。これがあれば停電しても消えないので、安全に電源を切ることができます。UPSの選び方などは以下のページで解説しています。
◆
電熱機器
暖房機器や調理家電などの電熱機器も、停電したら優先してコンセントから抜きましょう。これは家電の故障リスクだけでなく、停電復旧時に誤作動して火災などの二次被害に繋がるリスクがあるためです。具体例を以下に示します。
- 電気ストーブ
- こたつ
- トースター
- オーブンレンジ
- アイロン
- ミキサー
- 電気ドリル
- 電動ノコギリ
エアコン・冷蔵庫・洗濯機
シャープ・日立・パナソニックの公式HPを確認したところ、エアコン・冷蔵庫・洗濯機に関しては停電してもコンセントから抜かなくても大丈夫のようです。
ただし、日立のエアコンに関しては、一時的な停電時なら大丈夫だが、震災・台風後にエアコンが正常に動作しなくなった場合は電源を切って室内機はコンセントから抜くように書かれていました。
この辺はメーカーによって微妙に異なるため、自分のメーカーのホームページを確認することをおすすめします。主なメーカーのリンクを以下にまとめておきます。参考にしてください。
停電の範囲を確認する
安全を確保できたら、次にどこまで停電しているかを確認しましょう。停電の範囲によって原因や復旧時間も変わってきます。確認の手順を以下に示します。
- 自宅の他の部屋の確認
- 家のブレーカーを確認
- 近所も停電してるか確認
- SNSで停電情報を確認
まずは家全体が停電しているのか確認しましょう。「寝室だけ」など一部のみ停電している場合はその部屋のブレーカーが落ちただけの可能性が高いです。
次にブレーカーを確認します。ブレーカーの確認方法は以下のページで詳しく解説しています。
家全体が停電している場合は、近所も停電しているか確認しましょう。マンションやアパートの場合は、可能なら近隣住民に状況を聞いてみましょう。
外の信号や街頭が消えている場合は、その地域一帯が停電しています。その場合はSNSにも情報が出てる可能性が高いです。Twitterのトレンドも確認してみてください。
うちだけ停電している場合
あなたの家だけ停電している場合に考えられる原因と対処法を解説します。
考えられる原因
自宅だけが停電する主な原因は以下の4つです。
- 電力の使いすぎ
- 配電盤の故障
- 配線トラブル
- 電気料金の未払い
配電盤の故障・配線トラブルは自分ではどうにもできませんので、電力会社に連絡しましょう。
また、電気料金の未払いによって供給を停止されるケースもあります。自動引落にしている場合は、引き落とし口座の残金を確認しましょう。料金滞納が原因である場合は、まずは電力会社に連絡して未納分の料金を支払った上で、送電再開してもらう必要があります。
どこに連絡するか
原因不明の停電や、電気代の未払いによる停電に関しては、電力会社のカスタマーセンターに問い合わせましょう。お問い合わせの手順は電力会社によって異なります。
大手電力会社10社のお問い合わせページのリンクを以下にまとめておきます。参考にしてみてください。
どれくらいで復旧するか
電力の使いすぎでブレーカーが落ちた場合は、ブレーカーを上げればすぐに電気が付きます。ただ、同じように電力をたくさん使っているとまたすぐ落ちるので注意してください。
配電盤等の故障による停電は、そこさえ直してもらえればすぐに復旧します。
電気料金未払いによる停電は、滞納していた料金を支払っただけでは復旧しません。電力会社に連絡して送電再開手続きをする必要があります。ちなみに送電再開手続きは未納分の支払いが完了しないとできないので注意してください。
マンションだけ停電している場合
あなたの住んでいるマンションやアパートだけが停電している場合は少し面倒です。
考えられる原因
原因は建物の電気系統に問題がある可能性が高いです。また、稀にですが落雷によって特定の建物だけの電気系統に問題が起きることもあります。
どこに連絡するか
まず最初にするべきことは管理会社に連絡することです。 管理会社は、電力会社に連絡するか、必要に応じて電気技師を呼び出して修理する手配をします。
管理会社の連絡先が分からない場合は、賃貸借契約書を確認してみてください。あとは下のエントランスに管理会社名と連絡先が書かれている場合もあります。まぁ、あなたが連絡しなくても他の住人が連絡してくれるとは思いますが、全員がそう思って連絡しない可能性も十分にあるので、積極的に連絡することをおすすめします。
管理会社と連絡がつかない場合は、地域の電力会社に連絡しましょう。 電力会社の問い合わせページは前述したので割愛します。
どれくらいで復旧するか
復旧にかかる時間は原因によって異なります。落雷による停電は短時間で復旧することが多いですが、マンション全体の電気系統が古くなっている場合は、復旧まで数日かかることもあります。
地域一帯が停電している場合
うちだけではなく、外の街頭や信号まで停電している場合は、復旧まで数週間かかることもあります。
考えられる原因
- 天候不良(台風、豪雨、積雪など)
- 自然災害(地震、津波、火山噴火など)
- 電力設備の故障(変電所、送電線など)
- 人為的ミス(工事ミス、誤操作など)
- 電力需要の急増
正直どれも私達ではどうすることもできません。プロの方が直してくれるのを待つしかありません。
どこに連絡するか
大規模停電が起きた場合は、電力会社への問い合わせが急増するため、電話しても繋がらないことが多いです。仮に繋がったところで停電の復旧が早まるわけではないので、問い合わせはしないことをおすすめします。
停電に関する情報が知りたいだけなら、電力会社のホームページやSNSを確認しましょう。
どれくらいで復旧するか
電力需要の急増による停電は、みんなが節電すれば復旧しますが、天候や災害による停電は数日~数週間、大震災だと数ヶ月経たないと復旧しないケースもあります。
過去の天候や災害による大規模停電の実例を以下に示します。参考にしてください。
2019年9月 房総半島台風15号(93万戸停電)
- 2日で5割復旧
- 4日で8割復旧
- 1週間で9割復旧
- 16日後に完全復旧
2018年9月 北海道胆振東部地震(295万戸停電)
- 11時間は全く復旧せず
- 1日経って3割復旧
- 2日経って99%復旧
2011年3月 東日本大震災(466万戸停電)
- 4日間は404万戸が停電したまま
- 3ヶ月経って完全復旧
参考文献:国内の大規模停電事例
停電が長引きそうな場合にやること4選
停電復旧の目処が立たない場合は、長期停電に備えて色々準備が必要です。最低限やっておくべきことは以下の4つです。
- 食料と水の備蓄を確認
- 通信手段の確保
- 防寒対策(冬)
- 熱中症対策(夏)
食料と水の確認
停電が長引く場合に備えて、食料や水の備蓄を確認しましょう。備蓄が少ない場合はスーパーなどへ買い出しに向かいましょう。ただし、地域一帯が停電している場合はみんな買い溜めするので、食料や水が手に入らないこともあります。その場合は近隣住民に助けを求めるか、地域の避難所を使うことを検討しなければいけません。
通信手段の確保
停電していてもネットは使えることが多いため(震災等による大規模停電の場合は別)、スマホや携帯電話は大切な通信手段であり、情報収集手段でもあります。ただし、充電はできませんので、ゲームなどの無駄な使用は控えましょう。常日頃からモバイルバッテリーなどを用意しておくと便利です。
スマホ等が使えない場合はラジオを使いましょう。
防寒対策(冬)
冬場の停電では、寒さによる体調不良や凍死の危険があります。停電中にもできる防寒対策を以下にまとめます。
- 部屋を密閉する(窓に断熱材を貼ると良い)
- 石油ストーブを使う(定期的に換気が必要)
- ダウンなど防寒着を着る
- 手袋や靴下・帽子を着用する
- カイロを貼る
- 温かい飲み物や食べ物を食べる
石油ストーブがあると停電中も暖を取れて快適ですが、ずっと密閉していると酸欠や一酸化炭素中毒の危険があるため、2時間に1回は換気をすることをおすすめします。ちなみに停電中は換気扇も止まっているので窓を開けて換気する必要があります。寒いので窓を開けたくない気持ちは分かりますが、危険なので必ず換気してくださいね。
あと、停電中に温かい飲み物や食べ物を食べるには、カセットコンロとガスコンロが必要になるので、普段から常備しておくことをおすすめします。
熱中症対策(夏)
夏場の停電では、熱中症の危険があります。停電中でもできる熱中症対策を以下にまとめます。
- こまめに水分補給を行なう
- 汗をかいたらすぐにタオルで拭いて体温を下げる
- 日陰にいる
- 薄手で通気性の良い服を着る
- ネッククーラーや携帯扇風機を使う
夏場の停電はかなり危険です。とにかく日陰にいて十分な水分補給をしましょう。それでもやっぱり厳しいので、できれば家庭用蓄電池がほしいところです。蓄電池は数十万園もするのでハードルは高いですが、あるとかなり便利ですよ。
停電によって発生する問題5選
停電は様々な二次被害を引き起こす恐れがあります。特筆すべき問題を5つ紹介します。
家電製品に関する問題
前述の通り、停電時・復旧時に家電製品に問題が発生することがあります。繰り返しになりますが、停電したら家電の電源を切ってコンセントから抜くことをおすすめします。
給湯器に関する問題
給湯器は電気式とガス式がありますが、電気式の場合は停電が発生すると給湯器が動作しなくなります。一方、ガス式の場合は、停電が発生しても、点火部分に電気を必要としないため、手動で点火することで使用することができます。ただし、停電中に給湯器を使用する場合は、換気を十分に行い、安全に使用するように注意する必要があります。
トイレに関する問題
停電すると断水することがあります。マンションやアパートの場合は電力で給水していることがほとんどなので断水する可能性大です。しかし、トイレは水があれば流せます。詳しくは以下のページをチェックしてみてください。
交通機関の問題
地域一帯が停電した場合、交通機関に影響が出ることがあります。列車やバスが運行中止となる場合がありますので、最新情報を確認して対策を行いましょう。
また、停電中に外出する際は、懐中電灯やラジオ、充電器や予備バッテリー、十分な水分や食料などを携帯することをおすすめします。
防犯上の問題
停電が発生すると、防犯上の問題が発生することがあります。照明がなくなることで、不審者や窃盗犯の侵入などが起こる可能性があるので、しっかり戸締まりをした上で、夜も明かりを絶やさないようにしましょう。
停電が長引く場合は、近隣住民との連携も必要です。普段から近所付き合いしていない人にとってはかなりストレスフルだと思いますが、防犯上の観点からも近隣住民と情報交換や協力はした方がいいです。
ただし、女性の一人暮らしの場合はリスクもあるため、二人暮らしを偽装するなどの工夫が必要です。まずはどんな人が住んでいるのかの確認から始めましょう。
停電が復旧したらやること
停電が復旧したら、家電の電源を入れて、正常に動作するか確認しましょう。また、食料や水などの備蓄品の補充も行いましょう。
まぁ、基本的に停電復旧後はただ元の生活に戻るだけなので、特別何かやることはありません。ただ、停電で仕事や学校が休みになっていた場合は、いつから再開するのかをよく確認した方がいいと思います。
Q&A
外出先で停電したらどうすればいい?
外出先で停電が発生した場合は、安全な場所に移動することが必要です。最新情報を確認し、周囲の状況に十分注意しながら行動しましょう。
急な停電でエレベーターに閉じ込めらたらどうすればいい?
急な停電でエレベーターに閉じ込められた場合は、パニックにならずに周囲を冷静に確認しましょう。エレベーターの非常ボタンを押して、救助を呼び出すことが必要です。
停電したらブレーカーは落とした方がいいの?
停電が発生した場合、ブレーカーを落とすことで、復旧時に電気が戻ってきた際に、急に電流が流れることを防ぐことができます。そのため、一度ブレーカーを落としておくことをおすすめします。特に停電中に外出する際は必ずブレーカーを落としておきましょう。
まとめ
停電は、突然発生することがあります。しかし、事前に備えておくことで、安全に過ごすことができます。停電したら慌てず以下の順番でタスクを実行してください。
- 明かりを確保して自分の安全確保
- 家電の電源を切りコンセントから抜いて故障防止
- どこまで停電しているか確認
- うちだけ停電している場合は電力会社に連絡
- マンションだけ停電している場合は管理会社に連絡
- 地域一帯が停電している場合は食料の備蓄などを確認して長期停電に備える